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2021-01-10

「本屋で恋が始まる経験なんてありゃしない」〜パンくずよりも小さな事をカタルヒト〜

最近、パンでつながるきっかけに加えて、本で繋がる方々が増えてきました。
僕は本も大好きなので、多い時は週に3日くらいは本屋に出没している。
近隣に自転車で行ける範囲のブックオフがあるので利用することもある。
 
ふと本屋さんにいるときに考える事がある。
よく映画やドラマで、本に手を伸ばした時に、偶然見知らぬ人たちの手が触れ合い
 
「あっ、すいません!」
「いえどうぞ!」
 
それがきっかけになり恋に発展する。そんなシーンを誰もが観たのではなかろうか。
しかし、週に3日も本屋に通う僕でさえ、過去にそんな経験は一度もない。
 
そこで僕の周りで頻発している実情を伝えるべく書き記そうと決意したのです。
僕の通うブックオフだけかもしれないが、店内の親父率がかなり高い。
文庫本コーナーに至っては、親父率95%を超えるような肌感に包まれるのである。
 
まずは本を探す際のあるあるから話してみたい。
僕は作者名の50音順の流れに従って、本を探していくのがルーティーンなのです。しかしどうしても親父が「か行」の本棚の前で、僕の行く先を阻んでいる事があるのです。その場合は仕方がないので、「か行」を後回しにして、「さ行」の本棚にワープして、最後に「か行」に戻るパターンを採用している。一応、「か行親父」を急かしてはいけないという僕なりの気遣いのつもりである。
 
しかし、僕が「か行」の本棚の前で本を探している場合もある。自分も「か行」の本を探したいという親父が登場することがある。僕の場合であれば先ほどのパターンで「か行」を飛ばし、先に進むパターンなのだが、こんな親父もいる。場所を譲ろうとしている僕の背後に立って「か行」の本を探し出すのである。狭い通路で二人の親父が前後に重なると、他の人が通れない状況が起こる。
 
そして、僕もバックを取られたような感覚になり、
 
「いつバックドロップをされるのか」
 
などという警戒心が生まれるのである。これは野生の本能というべきか、はたまたプロレス好きの血が騒ぐというべきか。
 
また、僕よりも身長の低い親父の場合は、僕の背後で左右に動いたり、上下にぴょこぴょこプチ背伸びのようなことを動きで、空きスペースを確保して本を探そうとするのである。
 
背後でそういうことをされてしまうと
 
「バスケのフェイントか!」
 
という言葉が、喉元まで突きあがってくるのである。僕の本選びには、偽マイケルジョーダンやなんちゃって八村塁と格闘するのが付き物である。
 
続いて、みなさんはこんな落下事件が頻発していることをご存知であろうか。
 
これもまた親父が主人公なのである。本を取ろうとして、本棚から「作者名プレート」を床に落下させるのである。落下させた親父たちは慌てて拾い上げて、必死で元の場所に戻そうとするのである。しかし、この慌てぶりが尋常ではなく、50音順の並びの見極めに時間がかかり、緊張度がMAXになっているのである。僕はこの親父の慌てぶりに切なさと愛しさを感じるのである。哀愁を巻き添えにした可愛らしさというべきであろうか。
 
日々、こんな状況なのだから、本の取り合いで手が触れて、そこから恋が生まれる。そんな映画のようなラブストーリーなどの経験は一切ないのである。そんな僕でも目の前にある本棚には、もっと素晴らしいたくさんのラブストーリーが並んでいることは知っている。だから僕は本屋さんに通うのである。

 

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