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2020-12-30

森見登美彦著「夜は短し歩けよ乙女」〜熟成する一冊〜料理仕立てのパン

 
京都を舞台に巻き起こる摩訶不思議な世界。あの京都でこんなことがと面白おかしく回想に浸る。頭の中で聖地巡礼をしながらページをめくるとより楽しい。曲がりくねった個性的な登場人物の面白さが印象的な一冊。
 
 黒髪の乙女は、大学のクラブのOBである赤川と東堂夫妻の結婚式の披露宴に出席する。二次会に参加することなく、夜の先斗町に酒を求めて練り歩いた。錦鯉の生育に失敗し、絶望の淵に立つ東堂との出会い。彼のぶちまける人生論と行動が全く伴わないというおかしな様子。また自称「天狗」と名乗る樋口と圧倒的な順応性を備えた羽貫らと出会う。彼らからカクテル「偽電気ブラン」のことを聞き、偽電気ブランを所有する高利金貸しの老人李白を求めて夜の先斗町を練り歩くこととなる。そして強烈なインパクトの持ち主の李白と黒髪の乙女の飲み比べの一騎打ちが始まる。
 
 一方、髪の乙女に思いを馳せる先輩。恋に真っしぐらな行動力と妄想力には感服する。彼女を追い求め、行く先々で偶然を装った「奇遇」を積み重ねようとする。夜の先斗町でトラブルに巻き込まれながらも彼女を追いかけ、下鴨神社の古本市、学園祭でもひたすら奔走するのである。彼の仕掛ける「奇遇」は、「奇跡」を起こし、黒髪の乙女との恋は成就するのであろうか。
 
 
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