★「星降る空とぶどうの下で」at Machi Cafe開催の御礼★



~なぜ今回のイベント開催に至ったのか~
(浅香)3年ほど前に田中ぶどう園の商品開発プロジェクトがスタート。パンにもぶどうが使えないかというお声掛けがあり、交野市のパン屋さんにレーズンを持ち込んでコラボパンを作ろうと試みたが実現しなかった。今回のイベントは交野市はもちろんのこと、もっとたくさんの方々にパンとぶどうの親和性をお伝えしたいということでグロワールさんに協力を求めて実現しました。また、交野市と堺市という枠組みを超えて、パンで地域貢献できる可能性を感じ開催を決めました。
~交野市、ぶどう栽培の歴史について~
(浅香)交野市とぶどう栽培の歴史について教えてください。
(田中)昭和20年中頃、大阪府交野市神宮寺でぶどう栽培を開始。それまでの交野市神宮寺地域は、桃の栽培が盛んでした。ある時、桃畑が、嫌地のために一斉に枯れ始めました。そこで、桃の代わりにスモモを栽培しようと、村の主たるメンバー3人(その中の一人が、先代の田中實)が、大阪府柏原市の乾苗木店へ赴きました。乾苗木店の店主は、ぶどう栽培を既に行っていて、 「スモモなんかやめて、ぶどうつくりなはれ。」と、メンバー3人に薦めました。そこで、ぶどうの苗木を神宮寺に持ち帰り、ぶどうの栽培をはじめたのが、「神宮寺ぶどう」のはじまりです。最初は、デラウェアの「種ありぶどう」が普通でしたが、数年して「種なしぶどう」の栽培が主流になってきました。 更に、ハウス栽培も徐々に始まり、よりぶどうの商品価値が上がるようになってきたのです。今では、ピオーネやシャインマスカットなど、大粒ブドウの栽培も盛んになってきています。「田中ぶどう園」は、この交野市神宮寺でぶどう栽培をはじめて70年近くになります。まぶしい緑、清らかな水、おいしい空気、温暖な気候、あたたかな人と人とのつながりが残るこの土地で、家族経営でコツコツとぶどうを作り続けてきました。みなさまにおいしいぶどうをお届けできるように、愛情をいっぱいかけてぶどうを育てています。近年では、このあたりのぶどうは「神宮寺ぶどう」として、【大阪産(もん)】、【エコ農産物】にも認定されています。
~神宮寺ぶどうの栽培農家は問題とは~
(浅香)現在、小麦畑に行くこともあり、農業の担い手不足や販路開拓などの課題を抱えているとお聞きしますが、神宮寺ぶどうの栽培農家の問題をお聞かせ下さい。
(田中)①ぶどう栽培農家の減少。最初は24軒ほどだった農家が、現在では17軒ほどに減少し、そのうち6軒ほどはおじいさん・おばあさんがほぼ一人で栽培しています。②栽培面積の減少。昭和58年ころは約13haあったのが、現在は約8haくらいになっています。③ぶどう狩り来場者の減少。昭和60年前後では、1シーズン約1,500人/家が、現在では約600人/家になっています。「田中ぶどう園」は、先人たちが愛情をこめて大切に育ててきた「神宮寺ぶどう」を、未来に残していきたいと想います。神宮寺のぶどう農家が協力し、神宮寺地域が元気に、そして交野市が元気になればと想います。2015年夏、「田中ぶどう園」は「神宮寺ぶどう」が原材料の「ぶどうビネガー」と「ぶどうシロップ」の製品化、および販売を行うことにしました。この商品化は、小さな農家の想いに共感してくれた人たちと一緒に実現したものです。
(浅香)小麦畑に行くと農業の人材不足だけでなく、収穫した小麦を製粉にすることが難しいという現実がある。小ロットの小麦を製粉にするためのコスト面からのアンマッチや流通の問題などと直面します。環境保全と農業両面からの成功事例を横展開をする必要を感じます。
~星田小学校ものがたり~
(浅香)地元の小学校との感動的な出会いがあったと聞いていますが
(田中)交野市立星田小学校の新5年生の先生が「田中ぶどう園」のホームページを見つけてくださり、「ぶどうプロジェクト」の取り組み内容に興味を持って下さいました。
『児童たちにも地域振興や情報発信に取り組んでいる人たちの工夫や努力を知って欲しい、そこから何かを感じとって欲しい』という想いから、ぶどう畑での体験学習のお話をいただきました。
2016年5月18日に星田小学校の5年生が当方のぶどう畑で体験学習を行い、また翌週5月26日に星田小学校にて、ぶどうプロジェクトについてのプレゼンを行いました。
イベントの食事メニュー
今回のイベントでは、田中ぶどう園のシロップやビネーガーを使用したパン屋お料理をご提供させて頂きました。
・パンドグロワール
グロワールの一押し食パンです。パネトーネ種を使ったしっとりクリーミーな食感で、自然発酵種パネトーネ種の中の酵母と乳酸菌の働きで独特の芳香がします。阪神百貨店の食パンセレクトショップで週2回販売されています。そのまま食べるもの良し、フルーツサンドなどのアレンジもおすすめです。
・京都宇治抹茶と丹波黒豆のパンドグロワール
パンドグロワールの生地を使い京都産の抹茶を練りこんだ生地に丹波黒豆を巻きこんでいます。京都伊勢丹のパンフエスティバルに出品時に誕生しました。京都らしいパンができたのですが、お店でも好評で、現在は阪神百貨店でも販売中です。
・神宮寺レーズンパン
18年間種継ぎを続けた自家製酵母を使ったパンに神宮寺ぶどうで作ったレーズンを使いました。噛みしめるとぶどうの甘味が感じられます。カリッとしたクルミの食感。そして自家製にこだわったやわらかな半生タイプのレーズン。半生にすることでしっとり感が増幅され、パン生地の食感とのコントラストを強く感じる仕上がりになりました。
・さっぱりした夏のデラウエアビネガードレシングサラダ
生ハムにデラウエアをあしらい、周りには色とりどりの野菜をマチカフエ特製ワッフルボールに散りばめたサラダ。材料は生ハム・ニンジンラペ・レッドキャベツマリネ・カマンベールチーズ・豆のサラダに神宮寺デラウエアドレシングを回しかけています。神宮寺デラウエアドレッシングには、デラウエアビネガー、蜂蜜、白ワイン、オリーブオイルなどですが、基本はイタリアンドレッシングです。イタリアンドレッシングはオリーブオイルと酢は同量が基本ですが、今回はデラウエアぶどうビネガーを使いフルーティな仕上。ビネガーのまろやかな甘味が加わりことで、より旨みを感じられます。
・鴨肉と野菜 ピオーネスパイシードレッシング
下にはグロワールの自家製酵母パンにバターを薄く塗ったものが敷いてあり、その上に鴨のロースト、ベビーリーフ、ピオーネビネガーを使ったパプリカのマリネ、レッドオニオンのマリネ、ミニトマト、イチジク、ズッキーニ、などが添えられています。ピオーネビネガーを使ったスパイシードレッシングは、ピオーネビネガー、カッテージチーズ、マイタケ、クミン、潰した花椒(かしょう)、フエネグリーク、オリーブオイルを使っています。クミンは香り高いセリ科の一年草でクミンはその種で独特の芳香があり、カレーなどによく使われます。フエネグリークは甘い香りとほろ苦さがあり、これもカレーによく使われます。お肉によく合うスパイスです。花椒(かしょう)はホアジャオといって四川料理によく使われるピリッとした辛みが癖になるスパイスです。
・夏の爽やかデラウエアぶどうゼリーサンドイッチ
アガーのゼリーにたっぷりデラウエアをちりばめたソフトでジューシーなサンドイッチです。珍しいゼリーのサンドイッチですが、自家製酵母の食パンにデラウエアの果肉と果汁をたっぷり入れています。生クリームを使うことであっさりしすぎず水っぽさを防いでいます。グロワールのホームページにもレシピが紹介されていますので、是非チャレンジしてみて下さい。
・マンゴーのデザート
生クリーム、マンゴー、スパークリングワイン、ぶどうシロップを小さな器に入れてご提供いたしました。
今回のイベントは、共催メンバーと話し合い、平成30年7月豪雨の被災地支援のチャリティーイベントとさせていただきました。みなさまの参加費を日本赤十字社に義援金として寄付させていただきます。小さな活動ですが、参加者の皆様にご協力いただき被災者の方々への支援に充てさせていただきました。
今回のイベント開催にあたりサポートしていただきました交野市、堺市のみなさま、また猛暑の中お越し頂きました参加者の皆様に心より感謝申し上げます。これからも「パンでつながり、笑顔になる」活動を続けてまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
~メディア紹介情報~
JCOM北河内さんがイベント「星降る空とぶどうの下で」を取材に来られていました。JCOM地デジ11ch地元情報満載デイリーニュース大阪で7月18日水曜日放送予定です。JCOMが見られない時は地域情報アプリ「ど・ろーかる」をダウンロードしてご視聴ください。
「星降る空とぶどうの下で」at Machi Cafe 共催者
交野神宮寺田中ぶどう園 http://tanakabudouen.jp/
パン屋のグロワール http://www.gloire.biz/
Access&Webデザイン工房 つむぎ http://tumugidesign.com/
Machi Cafe https://www.facebook.com/qoo.machicafe
パンヲカタル 浅香正和 http://panwokataru.net/