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2016-10-12

2016.9.25  SPinniNG CIneMA「料理人 ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」

2016.9.25  SPinniNG CIneMA「料理人 ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」

世界的なペルーの料理人 ガストン・アクリオは語る。

「料理とは「血を流さない革命である」。

彼は料理が国を超え、人々の生活を変える力があると信じている。 

 

ガストン・アクリオは25歳の若さで、母国ペルーでレストランをオープンする。

レストランは人気を博し、訪れる客は後を絶たない。

しかし、何かが違う。ガストンは自問自答する。「母国で提供する異国の料理」に違和感を覚えたのである。ペルーには歴史ある食材があり、それを守る人々がいる。

そして、目の前には貧困という現実がある。

ガストン・アクリオは料理という「力」で、ペルーの文化を伝え、国全体の変革を成し遂げようとするのである。

 

~ガストン・アクリオの描く「ストーリー」~

ガストン・アクリオは、料理には「ストーリー」があると語る。

スクリーンには、キアヌ、セビーチェ等の様々な食材と料理が登場する。全ての料理の始まりは、「素材の声を聴くこと」ではないかと思う。彼は食材を求めて、生産者のもとに足繁く通うことを惜しまない。その答えは、そこにある人々の想いを感じるためである。彼は、生産者の「想い」を感じ、生産者への感謝の気持ちを料理で表現する。ストーリーとは「生産者」、「料理人」、「食べる人」の全ての人が繋がることだと思う。

 

~「未来を創る活動」~

ガストン・アクリオは、料理人の育成に尽力している。料理学校の設立などで、「未来を創るサポート」をしている。スクリーンに登場する「未来の料理人達」の活き活きとした笑顔がとても印象的であった。彼の後姿を見る子供達は、彼の想いを感じ、自分の足で歩き始める。ペルーの「未来の料理人たち」に、希望の光を感じる。

 

~「この映画を、私たちの心の中にいるすべてのシェフに捧げる―」~

私たちは、日々迷いながら生きている。「何が正しいのか」、「何をすべきなのか」。

その答えに行き詰まり、苦悩の中で喘ぐこともある。ふと立ち止まり、自分の心に耳を傾ける。心を静かにして、そっと語りかける。ガストン・アクリオも私たちと同じ「ひと」である。スクリーンの彼から、ほとばしる情熱とは相反する苦悩が感じ取れる。

ガストン・アクリオは、自分の心の奥底に生きるシェフと対話する。多くの人々の人生に、「美味しさのストーリー」を描き、「しあわせのスパイス」を添えるために。ガストン・アクリオは、生涯を懸けて「料理」という最高の武器で、多くの人々のために、自分自身と世界に「革命」を起こし続けていくのであろう。

 

~ペルーの家庭料理でつながる~

上映後、小野さんの粋な計らいで「ペルーの家庭料理」が振る舞われた。この地域には、ペルーの方々が住んでいるそうが、コミュニティーが確立されていない。小野さんはこの映画と料理をきっかけにコミュニティー作りを企画したのであった。

メニューは、キヌアのスープ、ムール貝のマリネ、紫とうもろこしのジュース。

やわらかな粒々の食感のキヌア。スープに溶け出したじゃがいも、にんじんから染み出た野菜のエキス。ほろほろのササミは、口の中でほどけていく。体の中をゆっくりと通り抜けていくようなやさしい味わいである。ぷにゅっとしたムール貝と、ピリッとした色鮮やかでシャキシャキのピクルスの食感のコントラスト。紫とうもろこしのジュースの切れの良い甘さと酸味のバランスは絶妙であった。

小野さんが「SPinniNG CIneMA」で伝えたいのは、「人のつながりの大切さ」ではないだろうか。私の目の前で、来場者の一人ひとりに屈託のない笑顔で語りかける小野晃蔵さんは、どこまでもニュートラルでフラットな人である。

 

 

~SPinniNG MiLL(スピニングミル)とは~

堺市堺区並松にある明治の後期に建てられた紡績工場の社屋の跡地である。イベントや文化の発信と多世代の人々の交流を目的として活用されている。展示会、撮影会、音楽の演奏会、上映会などレンタルスペースとしても使用できる交流の場である。代表であるフォトグラファー 小野晃蔵さんが、月一度のペースで開催しているのが「SPinniNG CIneMA」である。

 

~フォトグラファー 小野晃蔵さんとの出会い~

数年前、偶然に「SPinniNG MiLL」の前を通り過ぎた。何の前触れもなく、突然目の前に現れた古びた工場の出で立ちに心を奪われた。心がざわざわして、不思議な感覚が湧きあがる。もう一人の自分がSPinniNG MiLLに、興味を持っているように感じた。

もう一人の自分。過去の自分である。それは、音楽にどっぷりと浸っていた時の自分だと確信した。説明のつかない感覚的なものではあるが、日常のチャンネルとは、明らかに違うチャンネルで、SPinniNG MiLLが、チューニングされたように思えた。

 

 数日に亘り、何度も何度もインターネットでSPinniNG MiLLを検索し、フォトグラファー 小野晃蔵さんに辿りついた。一枚一枚、小野さんの世界観の扉を開いていく。そこには、モノクロで、カラフルで、そして枯れたような色彩があった。目の前で、頭と体にフィットする幾つものシーンが、立体的に構築されていくようであった。

そして、私の心に「このひとに会いたい」と直感的で、身勝手な答えが弾き出された。

 

数日後、「会いたい」気持ちが抑えきれず、何度もSPinniNG MiLLに足を運んだ。小野さんとは会う約束もせずに、何度も通った。会えるはずもなく、建物の外観の写真を撮影しては帰るだけの日々が続いた。

 

 そして、数年が経過して、偶然が起こった。

ある日、交流の場に誘われて参加した時のことである。帰り際の参加者との挨拶の場で、小野さんと出会うこととなる。心の準備が出来ておらず、動揺を隠しきれなかった。

その時の小野さんの飾らない言葉「今度、食に関する映画があるからおいでよ」。その言葉が出会いにあり、「SPinniNG CIneMA」にいくきっかけになった。この出会いを演出してくれた友人に心から感謝を伝えたい。そして、偶然という必然に心から感謝している。

 

写真左:藤木さん 中央:浅香 右:小野さん

 

 

~SPinniNG MiLL スピニングミル~ 

住所:590-0912 大阪府堺市堺区並松町45

tel & fax: 072-242-6894

SPinniNG MiLL スピニングミル

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