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2016-05-07

森沢明夫著「虹の岬の喫茶店」  スタートする一冊~朝食のパン~

森沢明夫著「虹の岬の喫茶店」

本を開いて、10頁目で文字が滲んだ。
様々な過去を背負う人達が惹かれるように辿り着く岬にある喫茶店。
「岬カフェ」を営む初老の女性 柏木悦子。
そこにあるのは「コーヒー」「音楽」。
人と人のあたたかなつながり。

大沢克彦は4歳の娘 希美との二人暮らしになった。
春の明けきらない夜に、叩きつけるような強い雨に重くのしかかる憂鬱な感情。
自分の意思に関係なく、ただ生かされているだけの日々を送ろうとしていた克彦。
悲しい日々にピリオドを打つために、「自分たちのしあわせ探し」に出かける克彦と希美。

上手くいかない就職活動に苛立ちを覚え、気晴らしにツーリングの出かける今泉健。
岬カフェに飾られた「二枚の絵」との出会い。
健は、カフェで出会う人の優しさに触れ、ほのかな恋心、自分の夢と向き合うことを始める。

この作品には、今、自分が「過去を語れる」のは、自分の人生を受け入れられた証拠であること。
それぞれが様々な過去を引きずりながらも、明日への一歩を踏み出すことが出来ていることを指している。
登場人物たちの生きざまを通し、一歩踏み出す勇気を与えてくれる。
文中にあるひとつひとつの「魔法の言葉」に秘められた「普通の中にあるしあわせ」を見つけて、それぞれの「虹の未来」が描けますように。

2014.04.04読了

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