グロワール
グロワールは、千林大宮商店街で長きにわたり愛されてきた。
商店街を歩いていると、遠い記憶の片隅にある街並みが目の前に呼び出されたように思えた。
まるで幼い頃に歩いた見た通学路のようである。
懐かしさに浸っていると耳に飛び込んできたのは「昔からここのパンはおいしい!」と常連らしき方の声。
このひとことで、グロワールが地元の方々と共に歩んできたことを理解した。
店内にはハード系のパン、菓子パン、惣菜パン等多くの種類が並ぶ。
その理由を店長の一楽さんは「お客様をがっかりさせたくないから」だと語る。
商店街というロケーションということもあり、来店されるのは子供や学生から大人までと幅広い層のお客様である。
「幅広いお客様が来店された時に買うパンがない」という状態があってはならない。
店長の一楽さんは多くの言葉の代わりに、数多いパンの種類で幅広い層のお客様の満足に語りかけている。
売り場では様々なパンの花が咲いている。
その空間にいるお客様の笑顔をみれば選ぶ楽しさへの満足感は一目瞭然である。
そして、一楽さんは「こだわりすぎないことがこだわり」だとも語る。
自分の思い入れが強すぎず、常にお客様が望むパン作りを心がけているそうだ。
そして、実験的な組みあわせのパン作りを楽しんでいる。
「この生地とこの素材で試してみよう」という真っ白でニュートラルな気持ちの時に良いパンが生まれることがあるそうだ。
狙いすぎないからこそ逆に面白いものが出来る時がある。
その不思議さもパン作りの魅力のひとつだと語る。
また、一楽さんはケーキ職人としての経験がある。
その経験が最大限に引き出されているパンがある。
それは「クルミとイチジクのブリオツシュ」である。
2014年パングランプリ大阪 クルミパン部門 最優秀賞大阪府知事賞 受賞。
ケーキのようなさっくりでしっとり感のある生地。
トッピングのクルミは「カリカリ」から「クシュっ」と崩れるように二段構えで変化する。
イチジクのプチプチが重なることで、何層にも重なる複雑な食感をみせる。
口いっぱいに広がる「とろけるようなおいしさ」と「彩りの食感」のバランスが絶妙である。
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バニラビンーズ入りの手作りカスタードを包み込んだ【クリームパン】や【ぼっかけカレーパン】などの定番アイテムも根強い人気である。
季節感のあるデニッシュは旬の瑞々しいフルーツをふんだんに使用した見た目から美味しいパン。
その季節にしか味わえない四季折々の特別感のある美味しさは格別である。
そしてお店の名前と同じ看板商品がある。
「パンド・グロワール」である。
クラストは香ばしくさっくりとした香り高い食感。
パネトーネ種を使用することで独特の風味が出る。
クラムはバニラの香りが遠くで主張する。
広がりを持ちながら避けていくサクい食感。
酵母と乳酸菌の働きが生地のしっとり感を持続させる。
グロワールは世代を超えて愛されるパンを大切に作り続けている。
そして、お客様によって、次の世代へと語り継がれていく。
今日もトレイには、たくさんのお客様の笑顔と優しさあふれるパンが乗せられていく。
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グロワール
〒535-0002
大阪府大阪市旭区大宮3-18-21
TEL:06-6951-7314
営業時間:7:00~20:00
定休日:毎週水曜日
市営地下鉄:谷町線「千林大宮」駅より徒歩2分 京阪電車「千林」駅より徒歩15分
グロワールホームページ
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